キットカットが三陸鉄道とともに、沿線地域の復興、活性化に取り組む「きっとずっとプロジェクト」。
ネスレ日本は神戸本社が阪神淡路大震災で大きな被害を受けています。クライアントは、被災された地域への復興支援を、「きっと願いかなう」、「がんばる人を応援するブランド」として定着したキットカットと企業の使命としていました。
震災後わずか5日後に運行再開した三陸鉄道と協業し、寄付金付きの商品や、世界中から応援を集めたラッピング列車の運行などによって地域に活力を生み出すことを目指し、ブランドのコミュニケーションの一環として2012年春からプロジェクトを展開しました。
■2012年春。寄付金付きの商品第一弾発売
■2012年 3月11日 さんてつ復興市PRイベント
新橋駅前のSL広場を「さんてつ広場」にし、「さんてつ復興市」のPRイベントを開催。被災した区間の運転再開に向け、物産展で応援するイベントには多くの方が訪れました。(イベントの企画から会場デザインまで奔走しました。)
物産展で賑わう一角にフォトギャラリーを開設し、たくさん応援メッセージを集めました。このメッセージはこの後で三鉄の駅へ運ばれ展示されました。
■2012年4月1日 田野畑駅〜陸中野田駅間 開通式イベント
津波で被害を受けた北リアス線の田野畑駅〜陸中野田駅間の運行が再開され、開通式イベントを企画しました。復興を願って応援メッセージが描かれた車体デザインの列車です。
原案は世界的に活躍するアーチストの三田村光土里氏。デザインは、きっとずっとプロジェクトのデザインチーム。ディレクションからアーチストの選定まで何度も東北に足を運んで企画デザインしました。車体には世界中から寄せられた応援のメッセージが描かれています。
開通式の舞台となった田野畑駅も応援メッセージと桜のデザインが施されました。開通を待ち望んていた多くの人で賑わいました。
田野畑駅のアート描画は、久慈工業高校美術部、田野畑村の住民の皆様にも協力いただきました。
■2013年 吉浜駅開通記念駅舎ラッピング
南リアス線の盛~吉浜間の運転再開を記念して、“三陸に笑顔のサクラサク”をコンセプトに吉浜駅をラッピングデザインしました。東北に本当の意味での春が一日も早く訪れるよう、共に祈り、応援していただけるよう、願いをこめたアートです。
■2014年4月 「切符カット」発売
三陸鉄道の全線復旧をを記念して企画されたのが切符付きのキットカット「切符カット」です。
切符付きのキットカットのデザインの最終段階で「切符カット」を正式な商品名にすることを提案し、パッケージデザインを変更。PRも全て「切符カット」とすることでニュースにも大きく取り上げられ、ブランドのコミュニケーションに貢献しました。
全線が復旧し関心が低下しはじめた状況でも、地域の生活の質を上げる取り組みとして2014 年秋に草野球チーム「三陸鉄道キット Dreams」を結成。野球による地域のコミュニティ支援につながっていきました。