久しぶりに会話する方、初めてお会いする方との会話は“在宅ですか?”が定番になっています。
私は自宅をオフィスにしていますので、基本は”在宅”です。
企画などのクリエイティブの仕事は在宅に向いています。
アイデアを考える時、基本は一人で、場所も選びません。
デザインや企画のまとめはPCでしますので、電源とスケッチができるスペース(あとできればあまり騒々しくない環境)があればOKです。
打ち合わせやプレゼンも、zoomなどが普及したおかげで信じられないほど便利になりました。
コロナ渦以来あたり前になりつつある遠隔同士のコミュニケーション。
実はかなり前からご縁があり、様々な経験をしています。
はじまりは90年代。当時のオフィスにテレビ会議システムが導入され、関西のクライアントさんや、海外とのやり取りに利用されはじめました。
当時は映像は荒く、顔もぼんやり。回線はとても不安定で映像が止まるのはしょっちゅう。うまくつながらず、結局会議が中止になったことも何度もあります。
モニタに鮮明に資料を映して共有することもできませんから、写真などを使った資料は事前に宅急便で送ります。(海外へは高価な国際便)
なかなかの一大事ですが、電話やFAXでしかやり取りできなかった、遠く離れた方々の顔が映し出された時は、やっと会えた!とお互い嬉しくなったものです。
2000年以降からは神戸本社のネスレさんを12年以上担当し、テレビ会議や電話会議が常となります。
映像の画質は向上しましたが、回線がつながりにくいことも多々あり、日々のミーティングは電話メイン。会議室のテーブルの真ん中に鎮座する大きなマイクに向かって一生懸命話します。電話会議の翌日に顔を合わせる時などやはりホッとするものです。
遠く離れたクライアントさんとの仕事で鍛えられたのは、事前に提案資料を送ってプレゼンすることです。
誤解を招く資料を事前に送ってしまうと、電話会議やテレビ会議の冒頭から不穏なムードになりかねません。一 読で意図が伝わり、プランが想像しやすいものが求められます。
ビジュアルやコンテは見た目の印象がとても強く、見た瞬間に好き嫌の反応を呼ぶことも少なくありませんから、なぜそのような企画・表現なのか、意図やニュアンスを伝えることも大切です。
プロジェクトが進むと提案書はクライアント社内やコラボ先で一人歩きしていきます。
多くの人の批判に耐え、共通理解を得られるよう準備することには、とても意味があります。
たくさん失敗もしましたが、距離に負けずに粘り強く向き合い続け、やり遂げる習慣が身につきました。
対面の機会が限られる今、”遠隔”に慣れていることに助けられています。
チームでのアイデア開発、まとめといったことに関して、最近はホワイトボードアプリの活用などが進んでいます。
そのようなツールは、誰もが発言しやすい、誰が言ったかに左右されにくい、といったフラットな雰囲気になりやすいことがポジティブだと感じます。
一方で、チームの意見を積み重ねてアイデアを強く育てていく、といったことをフルリモートで実現にこぎつけるには、まだまだ試行錯誤も必要かと思います。
時間や場所、資源を有効に活用する”新しい働き方”に必要なのは、柔軟な発想、古い価値観にとらわれないこと、お互いを尊重し合うこと。すべてクリエイティブが本来得意とすることです。
対面・遠隔にかかわらず、若い方とも一緒にどんどんチャレンジして、仕事のやりがいや幸せの感じ方も、新しいとらえ方をしていけたら思います。
写真は仕事場。自然との距離が近くて快適です。
庭のお手入れはまだまだこれから…